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渋野選手の快挙に便乗して食玩で一言

2019.08.05 Mon

渋野日向子選手の全英女子オープンゴルフの優勝、快挙ですね。ニュース映像を見ると、笑顔を絶やさないようで、あの笑顔で緊張をほぐしているのかなと思いました。それと、駄菓子を食べるモグモグタイムの映像が印象的で、何を食べているのかと思ったら、よっちゃん食品工業(本社、山梨県中央市)の「タラタラしてんじゃね~よスティック」でした。

 

ゴルフは門外漢ですが、よっちゃん食品については、ちょっとした縁があります。水産加工業の発展に尽くした企業や個人を顕彰する「今井忠水産加工振興賞」という賞があります。私はその賞の選考委員会の委員をしているのですが、2017年に行われた第2回の表彰で、よっちゃん食品の創業者である金井芳雄代表取締役会長に功労賞が贈られたのです。

 

この賞は、水産加工業の発展に貢献した企業に贈る「奨励賞」と、個人に贈る「功労賞」があり、金井氏は功労賞でした。氏が2015年に全国いか加工業協同組合の理事長に就任(現在は退任)した当時、イカの不漁で加工業界も深刻な原料不足と価格高騰に悩まされていたのですが、氏が理事長として関係機関に働きかけ、原料の確保に尽力した功績を評価しました。

 

選考委員会では、委員からいろいろな意見が出るのですが、よっちゃん食品が食玩(駄菓子・珍味)メーカーであることで、メーカーとして水産加工業界に貢献しているのかどうか議論になりました。私財を出してこの賞を設けた今井忠さん(水産庁を退職後、マルハで役員を務める)もオブザーバーとして委員会に出席していたので、よっちゃん食品の業績を尋ねたところ、次のような説明がありました。

 

「イカの加工品はイカの胴肉しか使わず、ゲソ(足)の部分は廃棄していたのだが、金井氏は酢主体の調味料で加工した商品を開発、加工原料としてのイカの価値を高めた。また、販路の対象を子どもにしたことで、水産加工食品の食玩分野で販路拡大につなげた」

 

なるほどと説明を聞いていたところ、委員のなかから「子どものときに、よっちゃんのゲソをよく食べた」との意見が出て、満場一致で表彰が決まりました。

 

私がユニークな会社だなと思ったのは、商品のネーミングで、タラぼ加工品に「タラタラしてんじゃね~よ」も面白いと思いましたが、イカゲソの加工品に「下足の極み」という商標登録もあると聞いて吹き出しました。当時、音楽バンドの「ゲスの極み乙女」のボーカリストと女性タレントとの不倫騒動が週刊誌の話題になった直後だったからです。同社の商品カタログを見たら、ちゃんと商品化されていました。

 

金井会長は、社名を車体に貼った金色のロールスロイスに乗ってCMに使うなど、個人的にもユニークな人だと思いましたが、表彰式には体調不良で欠席され、お会いすることができませんでした。

 

そんな縁があったので、渋野選手のモグモグで、ユニークな会社と会長の話を書きたくなりました。渋野選手は岡山県出身だそうで、岡山といえば、子ども向けのキャラメルで名を馳せたカバヤ食品の本拠地です。これからも国際舞台での活躍と駄菓子モグモグで、日本の食玩のすばらしさも世界にアピールしてほしいですね。

(冒頭のコラージュは、ネットに掲載されていた画像を組み合わせました)

 


この記事のコメント

  1. 杉浦 右藏 より:

    渋野選手の快挙に便乗して食玩で一言
    とっても楽しく拝読しました。

  2. 長岡 昇 より:

    山梨県で水産加工ですか。会社の所在地もユニークですね。

  3. 匿名 より:

    食玩とはオマケ付きのお菓子のことを言うんですよ。「タラタラ…」はどちらかといえば駄菓子の類いです。

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