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選挙後、やはり米朝戦争が気になる

2017.10.23 Mon
政治

衆院選の選挙日の22日は、ひどい雨と風でした。吹き飛ばされそうになる傘の柄を握りしめながら、頭のなかでは、誰の歌かも思い出せない古い歌が流れていました。

♪ 土砂降りの雨のなかで わたしは泣いた

突然、この歌が錆びた記憶メモリーからよみがえったのは、この雨で投票率が高くならず、組織票が多い与党がますます有利になる、と思ったからです。結果は予想通りで、世論調査では、かつての人気を失っていたはずの安倍政権の圧勝となりました。日本ファーストの私としては、天は日本を見捨てたのか、という気持ちになりました。

 

結果論をいえば、民進党の前原さんの「合流」と、希望の党の小池さんの「排除」とのボタンの掛け違いが勝負を分けたように思います。小池さんが「寛容な保守」を貫き、私の指に止まりたい人は、どなたでもいらっしゃいと言っていれば、あの大雨でも、与党の大敗は免れませんでしたね。自民党の候補者に当確が出ている各小選挙区の開票速報を見ながら、立憲民主と希望の党を加えると、自民党よりも上回っているという選挙区が多かったように思います。

 

今回の選挙は政権交代の選挙ではなく、安倍おろしの選挙、という目標を小池さんが明確に持っていれば、希望と民進の「野合」で、自民党の議席が大幅に減り、安倍さんの責任論が出てくるのは必至でした。希望の党は、民進党出身の候補者に無所属を選べば希望から対立候補を出さないが、立憲民主党から出れば「刺客」を放つと、持ち掛けたといわれています。事実かどうかわかりませんが、「刺客」がなければ、希望と立憲との共倒れが減り、自民党の当選者は確実に減ったはずです。希望の敗因は党首の「排除」発言という分析が一般的ですが、それよりも、「刺客」を含み、単独で過半数をめざすような戦術(つまり政権交代)に無理があったと総括すべきだと思います。まっとうな戦略も戦術もなく、「風」を巻き起こそうとした策に自ら溺れたというしかありません。

 

さて、これからの政治です。民主主義は権力をチェックするという点ですぐれたシステムだと思っていましたが、与党で3分の2を超える勢力を握るとなると、与党のやりたい放題になるのをだれもチェックできないという状態になりそうです。

 

これからの焦点は憲法改正ですが、希望も憲法改正の勢力に加えると、改正派が圧倒的ですから、国会の憲法調査会で改正に向けての議論が進み、戦後初となる国会での発議となりそうです。安倍首相は9条に自衛隊を書き加える「加憲」を提案しましたが、野党が「9条に自衛隊を書き加えるのは、憲法の矛盾を拡大するだけ」という論理で与党を責めると、与党内からは「自衛隊に代わる国防軍の創設」という声が強くなり、首相が「国防軍」にかじを切り直す可能性もあります。国民投票は2分の1の賛成ですから、案外とハードルは低いのかもしれません。「平和憲法」の精神は忘れられ、ガラケー状態だった9条の壁が崩壊する日が近いのかもしれません。

 

私が気にしているのはなんといっても朝鮮半島問題です。トランプ大統領が11月上旬にアジアを訪問、日米首脳会談のとに米中首脳会談が予定されています。ここでの最大のテーマは、北朝鮮問題で、この会談を受けて、米国が北朝鮮に先制攻撃をするかどうかの「最終判断」がなされるはずです。私は、湾岸戦争もイラク戦争も、米国が踏み切るはずはないと読んで、ことごとくはずしていますから、それからは、米国は合理的な判断とは別に、「やる気になったらやる」存在だという考え方に転向しました。

 

ということで、米中会談の中身にもよりますが、米朝戦争については、「ある」と見ているので、日本の首相には、トランプ大統領の後先を考えない蛮勇の「止め男」になってほしいと期待しています。総選挙がそういう人を出す機会になればと思っていたのですが、トランプ全面支持の安倍さんの続投となると、それも期待薄になりそうです。もし(イフ)の連続ですが、このまま米朝が衝突コースを突き進み、米国の攻撃が北朝鮮の反撃を招き、それが日本に大きな災禍を及ぼすことになるのをおそれます。


この記事のコメント

  1. 中北 宏八 より:

    まったくその通りですね。田岡俊二君も山田あつし選挙事務所での討論で開戦の可能性半分以上と言っていたようで、本当かと思っていたのですが・・・

  2. 元七 より:

     国民は、政治のあり方についてもうそろそろ大人になるべきではないか。

     日本国民は、有史以来時の権力者の下で常に虐げられ、権力者は奈良平安から明治の終わりまで千年以上に亘って、天皇と武家の交代で続けられてきた。

     その後、軍人が権力を握り身の程知らずの独善ぶりを発揮して我々庶民を虐げ、未曾有の犠牲死者を出したが、元々物理的にも知性的にも幼稚な国だったため、大国に惨敗となりやっと権力を手放した。

     そして直後に、日本はこの世で初めて国民本位の政治ルールに変わった。

     その中味は、庶民がお互いの総意の下で平和と相互の共力を発揮し、平穏な日常を過ごすという国民主権になったのである。

     ところが現実には未だに先の見通しが立たず、不安と虚ろな生活を強いられ続けている庶民が存在している。

     これで主権在民国家と言えるのか。

     こういうアンバランスが生まれるその原因は、主権在民の意識が国民全般に政治意識として浸透徹底してないからだろう。

     今のやり方を見ると、政治の方向、政策、施策手順等の起案実行を彼ら政治家.政党に求めているのが殆どである。
     だから彼らの思惑で適当にあしらわれ、騙されるのだ。

     本来のあり方は、主権者の我々がこうしろ、ああしろと指示を出し其れに従う者のみに委ねるようにするのが筋だろう。

     そうすれば、ごまかしやウソ八百は直ぐにバレるから不遜者を追放でき、我々庶民本位の国が実現できる。

     権力亡者の政治家ではなく、ごく普通の庶民の誰と誰が憲法を改正しろといったのか。

     それを公の場で公表して欲しい。

  3. マサノリ より:

    安倍首相はトランプ大統領に対して、100%一致ですから、戦争抑止にはならないでしょう。広島の10.6倍の水爆搭載ミサイルが東京に向け発射されるリスクを回避するつもりはないのでしょうね。

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