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キャリア警視の不同意性交

2025.02.15 Sat

今朝(2月15日)の新聞を見て、警察庁はまだ「馬鹿殿教育」を続けているのかと驚きました。鹿児島県警の捜査二課長の警視(28)が不同意性交の疑いで書類送検されたという記事です。

 

県警の捜査二課長は、詐欺や贈収賄などの「知能犯」を陣頭指揮する捜査の要です。28歳の若者が就くには重すぎる役職ですが、国家公務員の総合職試験などに合格して警察庁に就職したいわゆるキャリア官僚が「修行」として、県警のこうした役職に出向させる慣習がいまだに残っているのでしょう。将来は県警本部長になるような警察官の「若殿教育」という趣旨ですが、実際には、自分はえらい人間だからなんでも許されるという「馬鹿殿」を育てているだけだと思います。

 

こうした「若殿教育=馬鹿殿教育」は、どこの中央官庁でもやってきた制度で、旧大蔵省のキャリア官僚もかつては20代で税務署長に就いていました。警察庁もかつては若手キャリアを警察署長に就けたこともあったようで、それに比べれば、「改善」されたのかもしれませんが、地方公務員として県警に採用された警察官からすれば、国家公務員試験合格というキャリアだけで、キャリア官僚として遇しなければならない慣習の不合理さを感じている人は多いことでしょう。

 

警察官の階級は、下から巡査、巡査部長、警部補、警部、警視、警視正などとなり、県警の課長や警察署長は警視以上の階級です。国家公務員だと20代で警視になれますが、地方公務員として採用された警察官が警視になれるのは40歳前後のはずです。こうした仕組みですから、キャリア官僚のなかには、「俺はえらいんだから何でも許される」と勘違いするような輩がでてきても不思議ではありません。

 

不同意性交は、どこでも起こりうる事件ですから、キャリア官僚と結びつけるのは短絡的かもしれませんが、キャリアのおごり、という側面は見落としてはならないと思います。朝日新聞は、この捜査二課長を「警察庁から県警に出向」としか書いていませんが、東京新聞は「警察庁のキャリア官僚」と明確に書いています。

写真は2月15日付けの東京新聞


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