大手メディアが伝えない情報の意味を読み解く
情報屋台
社会
政治
経済

備忘録(18)NGリスト、ジャニーズだけなの?

2023.10.06 Fri

ジャニーズ事務所の記者会見で、取材する記者を指名するかどうかの「NGリスト」が作られていたことが問題になっています。会見を主催する側に指名権があるため、受けたくない質問を避けようとするのは、あってはならないことだと思います。しかし、実際にはよくあることです。

たとえば、菅内閣の記者会見をまとめた朝日新聞の記事(2021年9月28日)によると、菅首相(当時)の就任から退任直前までの1年間に開かれた19回の官邸記者会見で、もっとも指名されたのはNHKで19回、もっとも少なかったのは東京新聞の1回でした。思えば、東京新聞には、菅首相が官房長官時代に、厳しい質問をする「天敵」といわれた記者がいました。この記事を書いた朝日新聞は2回でした。

私は経済関係のメディアの話を聞く機会が多いのですが、日銀の黒田東彦総裁時代、ここにも「天敵」といわれた朝日新聞の記者がいましたが、挙手してもほとんど指してもらえなかったそうです。自動車関係では、ある大手企業の社長懇談で厳しい質問をした記者は、次の懇談から呼ばれなかったそうです。

NGリストが印刷されているか、指名する司会者の頭の中にあるかを問わなければ、NGリストはどこにでもあるのでしょう。ジャニーズ事務所の会見を擁護するのつもりは毛頭ありませんが、ジャニーズ会見のNGリストを批判しているメディアは、たとえば官邸の会見で指名が偏っていることをどれだけ問題視したのでしょうか。

ジャニーズ問題では、当初はジャニーズ事務所と自社の力関係あるいは利害関係を考えてほとんど報道せず、風向きが変わりそうになると、メディアスクラム状態となり、いまはバッシングの嵐で、NGリストも絶好のネタになっているように思えます。

「遅きに失する」という言葉があります。ジャニーズ問題ももっと早くメディアが取り上げていれば、防ぐことができた性被害もあるはずです。政治や経済分野で横行している「NGリスト」も、こうした問題を指摘していく勇気がメディアになければ、国民の利益という意味で、「遅きに失する」ことになると心配します。

(冒頭の図は、朝日新聞の当該記事の図)


コメントする

内容をご確認の上、送信してください。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

社会 | 政治 | 経済の関連記事

Top